会社経営では「災害や盗難の被害」「経営者の病気やケガ」など想定外の損失を被ることがある。そして、想定外の損失は会社の資金繰りの悪化へとつながることが多い。
その状況下では会社を存続させるために精一杯で、税金の納付まで手がまわらない会社が多いだろう。そのときの資金繰り対策として納税猶予制度を活用することが経理戦略として急務となる。
追記
税金の納税が困難!納税猶予制度を利用しよう
納税の猶予が認められると1年の範囲内で納税が猶予される。また、令和2年中における延滞税の利率では通常は年8.9%の利息が発生する。納税猶予制度を利用することにより利息が1.6%に軽減される。
したがって、納税猶予制度を利用することで税金の分割納付と延滞税の軽減の2つのメリットを得られる。
追記
国税の納税猶予制度を利用するためには?
納税猶予制度には納税の猶予と換価の猶予の2つの猶予制度がある。
その2つの猶予は税務署長の裁量により認められるところが大きい。したがって、事前に税務署と相談することが大切である。
追記:新型コロナウイルス感染症の対策として、税務署に行かなくても国税局猶予相談センターで納税猶予について電話にて相談ができる。国税局猶予相談センターの連絡先は国税庁のホームページで確認できます。
追記
納税猶予の要件
納税猶予の要件
① 次の1から5までのいずれかに該当する事実があること
- 納税者がその財産につき、震災、風水害、落雷、火災、その他の災害を受け、又は盗難に遭ったこと
- 納税者又はその者と生計をひとつにする親族が病気にかかり、又は負傷したこと
- 納税者がその事業を廃止し、又は休止したこと
- 納税者がその事業につき著しく損失を受けたこと
- 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと
② 上記①のいずれかの事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められること
③ 申請書が提出されていること(上記①-5の場合は納期限までの提出)
④ 原則として担保の提供があること
上記①から④の要件の全てに該当するときは、原則として1年以内の期限に限り納税の猶予が認められる可能性がある。
換価猶予の要件
① 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にする恐れがあると認められること
② 納税について誠実な意思を有すると認められること
③ 換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと
④ 納付すべき国税の納期限から6ヶ月以内に申請書が提出されていること
⑤ 原則として、担保の提供があること
上記①から⑤の要件の全てに該当するときは、原則として1年以内の期限に限り納税の猶予が認められる可能性がある。
追記:特例猶予の要件
① 新型コロナウイルス感染症やその蔓延防止措置の影響により令和2年2月1日以降の任意の期間(1ヶ月以上)において、事業などの収入が前年同月と比べておおむね20%以上減少していること。
② 一時に納税することが困難であること。
納税猶予の担保提供
猶予の申請をする場合は、原則として猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要がある。なお、次に該当する場合は担保を提供する必要はありません。
担保提供が不要なケース
- 猶予を受ける金額が100万円以下である場合
- 猶予を受ける期間が3ヶ月以内である場合
- 担保として提供できる種類の財産がない場合
追記:特例猶予の担保提供
- 担保は不要です。
納税猶予の猶予期間
猶予を受けることができる期間は1年の範囲内で、申請者の財産や収支の状況に応じて最も早く国税を完納することができると認められる期間に限られる。なお、猶予を受けた国税は、原則として猶予期間中の各月に分割して納付する必要があります。
ただし、猶予期間内に完納することができないやむを得ない理由があると認められる場合は、猶予期間の延長が認められる場合がある。その際は当初の猶予期間と合わせて最長2年となります。
追記:特例猶予の猶予期間
原則1年間の納税が猶予される。なお、猶予を受けた国税は猶予期間中の任意の時期に納付できます。また、分割して納付することも可能です。
納税猶予の申請手続
猶予を申請する場合は次の書類を提出する必要がある。
必要な提出書類
- 納税・換価の猶予申請書(申請書の記入方法)
- 資産及び負債の状況、収入及び支出の状況を明らかにする書類
- 担保提供に関する書類
- 災害などの事実を証する書類
次のような場合に該当するときは猶予が取り消される場合がある。
納税猶予の取消
- 分納納付計画書のとおりの納付がない場合
- 猶予を受けている国税以外に新たに納付すべきことになった国税が滞納になった場合
特例猶予を申請する場合は次の書類を提出する必要がある。
追記:特例猶予の申請手続
- 納税の猶予申請書【特】(申請書の記入方法)
- 本年と昨年の収支状況が記載された元帳や売上帳などの帳簿(試算表も可)
- 手元資金の有高が分かる現金出納帳や預金通帳
最近2ヶ月程度において地方税や社会保険料の特例猶予を受けている場合は、その申請書又は許可通知書の写しを添付することで、国税の猶予申請書のうち地方税等の申請と重複する事項の記載や上記の売上帳や現金出納帳の添付を省略できる。
地方税の納税猶予制度はどうなってる?
新型コロナウイルス感染症の特例猶予に関連する主要都市のホームページを紹介する。リンクをクリックすると各主要都市の特例猶予ページに移動します。以下に紹介されていない都市は県庁のホームページで調べてください。
主要都市の特例猶予サイト
納税猶予申請は専門家に任せるのが安心
国税や地方税の猶予申請は税理士に任せるのが安心である。
顧問税理士がいる会社は税理士に依頼すればすぐに電子申請してもらえる。まだ、税理士とお付き合いがない会社やフリーランスの方はこの機会に税理士に依頼してみるのもアリだと思います。
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税金の納税が困難!納税猶予制度のまとめ
実際の会社経営では不測の事態で資金繰りが悪化することはめずらしくない。その状況下で会社が最優先するのはやはり会社の存続であろう。そうした場合ではどうしても税金の納付まで資金がまわらない。
だから納税猶予制度を活用する術としての経理戦略を熟知することが大切なのです。
納税猶予制度ではいろんな要件があったが最終的には税務署長の裁量によるところが大きい。だから、事前に税務署で相談することで納税猶予を認めてもらえるように、経営状態の資料や分割納税の計画書を作成して説明する必要がある。
納税の猶予を認めてもらえれば1年以内で税金の分割納付が可能となり、また、延滞税の利率も1.6%に軽減もされるので資金繰りにもメリットが大きい。
そして、換価の猶予を認めてもらうことにより会社の財産を差し押さえられ売却される心配もなくなる。
この一連の経理戦略を頭に入れておくだけでも不測の事態のときに対応できると考えます。
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最後に新型コロナウイルス感染症の特例猶予が創設されたので、コロナ禍で弱った会社も有利な条件で資金繰り対策ができるようになった。税理士に特例猶予の申請を任せることで安心して経営者は会社の立て直しに専念できるでしょう。