

個人事業の開業届について最低限の知識をまとめた。
今回、この記事でわかることは以下のとおりになる。
- 開業届を提出するまでの流れ
- 開業届の書き方
- 開業届以外に提出すべき税務届
- 税務署に届出する際の注意点
ひとつでも気になる項目があれば、ぜひに最後まで読んでほしい。
きっと新しい発見があります。
目次
個人事業の開業届の3つのステップ


開業届の提出までの流れ
開業届の書き方、開業届以外に提出すべき税務届、開業届を税務署に届出する際の注意点を3つのステップでまとめた。
開業届の提出がなぜ必要なのか?
開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」という。
その目的は個人事業をスタートしたことを税務署に申告するためだ。
個人事業主は、毎年1月から12月までの1年間の所得を計算して、所得税を納税しなければならない。開業届の提出により開業日が決まり、初年度の事業所得の計算期間が明確になる。
また、開業届の提出には次の目的もある。
- 青色申告承認申請
- 個人事業用の銀行口座開設
- クレジットカードの信用対策
特に青色申告の特典を受ける場合には「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出が必須となるので気をつけたい。
個人事業の開業届を記入してみよう!


開業届の入手と使い方
開業届は国税庁のホームページからダウンロードすると便利だ。
サイト名称 | タイトル(リンクページ) |
国税庁 | [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続 |
- 上記リンクページから開業届をダウンロードする。
- 開業届に直接、必要事項を入力してプリントアウトする。
- プリントアウトした開業届の「提出用」と「控え用」を税務署に提出する。
開業届の書き方
開業届を入力するうえで7つの項目に分けて詳細を解説する。
① 納税地・氏名・生年月日・個人番号・職業・屋号
納税地
住所地・居住地・事務所等のどれかを選んで、住所と電話番号を記入しよう。
- 住所地:自宅のこと
- 居住地:海外に住んでいて活動拠点が日本である場合の居住地のこと
- 事務所等:店舗や事務所のこと
上記以外の住所地・事務所等
上記以外の住所地・事務所等とは、以下に該当する場合のこと。該当する場合は住所と電話番号を記入する。納税地が自宅兼事務所等の場合は記入不要だ。
- 納税地が事務所等の場合:自宅の住所を記入
- 納税地が自宅で事務所等が他にある場合:事務所又は店舗の住所を記入
氏名・生年月日
氏名とフリガナ、生年月日を記入のうえ押印する。
印鑑は認印で問題ない。
個人番号(マイナンバー)
マイナンバーカード(通知カード)の個人番号を記入する。
どうしても個人番号が分からない人は、役所で住民票(個人番号入り)を取れば自分の個人番号が分かる。
職業・屋号
自分の職業を記入する。例えば「飲食業」や「小売業」など。
屋号がある場合はその名前とフリガナを記入する。
② 提出する税務署・提出日
提出する税務署
①で記入した納税地を所轄する税務署名を記入する。
国税庁のホームページ「国税局・税務署を調べる」で、納税地の郵便番号又は住所を入力することで所轄税務署を検索できる。
提出日
実際に提出する日を記入する。
提出期限は開業日から1ヶ月以内である。
③ 届出の区分・所得の種類
届出の区分
開業にチェックを入れよう。
事業を引継ぎを受けた会社は受けた先の住所と氏名を記入しよう。
所得の種類
不動産や山林以外の所得は「事業(農業)所得」にチェックを入れよう。
- 不動産所得:土地建物などの貸付で得た所得
- 山林所得:山林伐採などで得た所得
- 事業(農業)所得:不動産や山林以外の事業や農業で得た所得
④ 開業・廃業等の日
開業した日を記入する。
開業日には特にルールはないので、自分が開業したと認識した日を開業日にしよう。
⑤ 開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
開業届と一緒に「青色申告承認申請書」「消費税の課税事業者選択届出書」を提出する場合は「有」にチェック。提出がない場合は「無」にチェックしよう。
⑥ 事業の概要
事業内容を詳しく記入する。
例えば、飲食業であれば「居酒屋の営業・運営」「焼肉屋の営業・運営」など。
⑦ 給与等の支払の状況・源泉所得税の納期特例・給与支払を開始する年月日
給与等の支払の状況
1.初めに専従者と使用人の人数を記入しよう。
- 専従者:家族従業員のこと
- 使用人:家族以外の従業員のこと
従業員がいない場合は0人と記入すれば問題ない。
2.次に給与の定め方を記入しよう。
月給、日給、時給などの給与の支払いについて記入すればよい。
従業員がいない場合は無記入で問題ない。
3.最後に税額の有無にチェックを入れよう。
専従者や使用人がいる場合は、基本的に「有」にチェックしておけば問題ない。
従業員がいない場合は無記入で問題ない。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
開業届と一緒に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出する場合は「有」にチェックする。
従業員がいない場合は「無」にチェックすれば問題ない。
給与支払を開始する年月日
従業人に給与支払いを開始する年月日を記入する。
従業員がいない場合は無記入で問題ない。
その他参考事項
特に記入する必要なし。
開業届以外の届出を確認しよう!


所得税の青色申告承認申請書
青色申告の様々な特典を受けたい人が提出する申請書。
青色申告承認申請にはメリットとデメリットがあるので、必ず内容を確認してから申請するか判断しよう。
こちらの記事も参考に!
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個人事業主が青色申告するには?青色申告承認申請書の書き方を解説!
続きを見る
従業員を雇用した際の税務届出書
従業員や家族を雇用した場合に必要に応じて税務署に提出する届出書。
届出書のリンク | 届出の内容 |
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 | 従業員の雇用が条件。従業員に給与を支給する場合に提出 |
青色事業専従者給与に関する届出書 | 青色申告承認申請書の提出が条件。家族(15歳以上)に給与を支給する場合に提出 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 従業員が10名未満が条件。従業員から源泉徴収した所得税の納付方法を「半年に1回」に変更したい場合に提出 |
従業員や家族を雇用しない会社は提出不要。
資産の評価や償却関係の税務届出書
棚卸資産の評価方法や減価償却資産の償却方法を選定する際の届出書。
届出書のリンク | 届出の内容 |
所得税の棚卸資産の評価方法の届出書 | 最終仕入原価法(原則法)以外の評価方法を選択したい場合に提出 |
所得税の減価償却資産の償却方法の届出書 | 定額法(原則法)以外の償却方法を選択したい場合に提出 |
多くの会社(原則法を採用する会社)は提出不要。詳しく知りたい方は税理士にご相談ください。
こちらの記事も参考に
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税理士の選び方|あなたの依頼にマッチ!失敗しないための3つの方法
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開業届を税務署に提出しよう!


開業届の提出期限を順守しよう!
開業届は「事業開始日から1ヶ月以内に所轄税務署への提出」が推奨される。
青色申告の様々な特典を受けたい人は必ず提出期限を守り、開業届と青色申告承認申請書を同時に所轄税務署へ提出しよう。
特に青色申告承認申請書は提出期限を順守しないと初年度の青色申告の特典を受けられないので気をつけたい。
こちらの記事も参考に!
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個人事業主が青色申告するには?青色申告承認申請書の書き方を解説!
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開業届の控え用に受領印をもらおう!
開業届は「提出用」と「控え用」の両方を所轄税務署に提出しよう。そして、開業届の「控え用」は必ず受領印をもらい持ち帰りましょう。
税務署の受領印ありの開業届(控え用)は個人事業主である証明書になる。
その証明は「個人事業用の銀行口座開設」や「クレジットカード作成」に必要な場合が多い。開業届(控え用)は大切に会社で保管しよう。
開業届の提出方法
開業届の提出方法は2つ。税務署に持参して提出するか、郵送して提出するかだ。
郵送する場合は開業届(控え用)を返信してもらうために返信用封筒を同封しよう。
返信用封筒には住所と氏名を記入して必ず切手を貼るのを忘れずに!
個人事業の開業届の書き方のまとめ
個人事業の開業届は個人事業主の証明書だ。
法人であれば登記事項証明書が会社の証明書になるが個人事業主にはそれがない。個人事業主の場合は開業届が証明書の代わりになるのが一般的だ。
開業届は証明書として様々な手続きに活用される。最近では、持続化給付金や協力金などの添付書類としても利用されている。
このように開業届は証明書の機能を有するので誤りなく作成したい。
本記事のステップどおりに作業すれば、問題なく開業届を税務署に提出できるだろう。
3つのステップをよく読み上手に活用してもらいたい。
最後に開業届や青色申告承認申請書をもっと楽に作成する方法がある。
それは開業freeeを活用すること。
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