法人設立後の税務手続きがわからない人も多いだろう。
まずは法人設立届出書を作成して提出が必要だ。
今回、この記事でわかることは…
- 法人設立届出書の提出の流れと目的
- 法人設立届出書の入手方法と書き方
- 届出書の提出時に気をつけること
- 必要に応じて提出が必要な税務書類
以上のとおり「法人設立届出書」にまつわる必要な知識をまとめた。
ひとつでも気になれば、ぜひに最後まで読んでほしい。
きっと新しい発見があります。
- 法人設立届出書の提出までの流れと目的
- 法人設立届出書に記入しよう!
- ほかの税務書類を確認しよう!
- 法人設立届出書を提出しよう!
- 法人設立届出書の作成のまとめ
法人設立届出書の提出までの流れと目的
法人設立届出書の提出までの流れ
法人設立届出書の提出までの流れを解りやすく3つのステップにまとめた。
- ステップ1「法人設立届出書の入手方法と記入方法」を学ぶ。
- ステップ2「ほかに提出が必要な書類がないか」を把握する。
- ステップ3「届出書を提出に気をつけること」を確認する。
法人設立届出書を提出する目的
法人設立届出書の目的と提出先を簡単にまとめる。
法人設立届出書の目的
法人設立届出書は法律で提出が求められており、設立した会社の概要を知らせる目的がある。
具体的には…
法人設立届出書と一緒に次の添付書類の提出が必要だ。
- 定款の写し
- 登記事項証明書
- 設立時貸借対照表
- 株主名簿
会社の概要を知らせるために必要な書類になる。
法人設立届出書の提出により確定申告などの税務書類が会社に届くようになる。
法人設立届出書の提出先
法人設立届出書は、本店所在地を管轄する税務署と地方自治体に提出する。
具体的には…
税務署
都道府県税事務所
市町村の税務課
本店所在地が東京都の特別区(23区)にある場合は税務署と都税事務所のみに届出書を提出する。(区役所の提出は不要)
法人設立届出書に記入しよう!
法人設立届出書の入手方法
法人設立届出書は国税庁と地方自治体のホームページから入手できる。
例えば...
ちなみに東京都は…
東京都主税局の「①法人設立・支店設置、異動の際の届出」から取得が可能。
東京都の法人設立届出書は「税務署提出用」「都税事務所提出用」「市町村提出用」「控え用」がひとつのPDFにまとまっているので、国税庁や市町村から入手しなくてもよい。
届出書の入手は「法人設立届出書 〇〇県」や「法人設立届出書 〇〇市」などでワード検索するとダウンロードページにたどりつきやすい。
法人設立届出書の記入方法
新設法人の「法人設立届出書」の記入方法を7つの項目に分けて詳細を解説する。
① 提出日・提出先を記入
提出日
税務署に提出する年月日を記入する。
提出先
本店所在地を管轄する税務署名を記入する。
国税庁のホームページ「国税局・税務署を調べる」で所轄税務署を検索できる
② 会社情報を記入
本店又は主たる事務所の所在地
履歴事項全部証明書に記載された本店所在地を記入する。
納税地
本店所在地を記入する。または「同上」と記入しても問題ない。
法人名
法人の名称とフリガナを記入する。
法人番号
法人番号を記入する。
法人番号は「国税庁法人番号公表サイト」から検索できる
代表者氏名
名前とフリガナを記入する。会社の代表者印の押印を忘れないように。
代表者住所
自宅住所と電話番号を記入する。
③ 設立時の基礎情報を記入
設立年月日
履歴事項全部証明書に記載された設立の日を記入する。
事業年度
定款で定めた会計年度を記入する。
設立時の資本金又は出資金の額
履歴事項全部証明書に記載された資本金の額を記入する。
消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日
資本金1,000万円以上で設立したときは「会社設立の日」を記入する。
④ 事業内容や支店状況を記入
事業の目的
定款等に記載しているものには「主なる事業」を記入する。 現に営んでいる又は営む予定のものには「上記と同じ内容」を記入する。
支店・出張所・工場等
支店などがあるときは名称と住所を記入する。
⑤ 設立の形態を記入
「5」を〇で囲み、カッコの空欄に「新設法人」と記入する。
⑥ 事業開始日、届出書の提出状況、税理士の情報を記入
事業開始(見込み)年月日
履歴事項全部証明書に記載された設立の日を記入する。
「給与支払事務所等の開設届出書」提出の有無
「有」を〇で囲む。「給与支払事務所等の開設届出書」を作成して法人設立届出書と一緒に提出しよう。
関与税理士
税理士と顧問契約した場合は、その税理士の名前、事務所の住所、電話番号を記入する。
⑦ 添付書類を記入
「1」と「2」を〇で囲み、カッコの空欄に「履歴事項全部証明書」「設立時貸借対照表」「株主名簿」と記入する。
ほかの税務書類を確認しよう!
必要に応じて提出が必要な税務書類
次の1から4のうち適用を受けたい税務書類がある場合は、法人設立届出書と合わせて税務署に提出しよう。
1.青色申告の承認申請書
青色申告するために申請する書類だ。
青色申告の承認を受けることで税務上の恩恵がある特典を受けられる。
2.給与支払事務所等の開設届出書
役員や従業員に給与の支払いを開始するときに届け出る書類だ。
届出書の提出より税務署から源泉所得税の納付書が送られてくる。
3.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
源泉所得税の納付を原則法から例外法に変更したい場合に申請する書類だ。
例外法の承認を受けることにより、源泉所得税の納期限を年2回に変更できる。
4.そのほかの税務書類をまとめて紹介
届出しない場合は原則法が適用されるので、それで大丈夫な会社は提出する必要はない。
届出の名称 | 届出の内容 |
棚卸資産の評価方法の届出書 | 最終仕入原価法(原則法)以外の評価方法を選択したい場合に提出 |
減価償却資産の償却方法の届出書 | 定率法(原則法)以外の償却方法を選択したい場合に提出 |
会社の実情に合わせて届出書を提出するか判断しよう。
会社設立freeeを上手に活用しよう!
税務書類の作成に不安がある人は会社設立freeeを活用しよう。
会社設立freeeは「法人設立の登記書類」と「設立後の税務書類」を簡単に作成できる。
具体的には...
この記事で解説した税務書類を簡単に作成できます。
- 法人設立届出書
- 青色申告の承認申請書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
無料で利用できるので上手に活用しよう。
法人設立届出書を提出しよう!
法人設立届出書の添付書類の準備
法人設立届出書の添付書類を準備して合わせて提出が必要だ。
添付書類 | 税務署 | 都道府県税事務所 | 市町村の税務課 |
1.定款写し | 必要 | 必要 | 必要 |
2.登記事項証明書 | 必要 | 必要 | 必要 |
3.設立時貸借対照表 | 必要 | - | - |
4.株主名簿 | 必要 | - | - |
1.定款の写し
定款をコピーして提出しよう。
2.登記事項証明書
法務局で取得した履歴事項全部証明書を提出しよう。
証明書が手元にある場合は原本をコピーして提出しても問題ない。
3.設立時の貸借対照表
エクセルなどて設立時の貸借対照表を作成して提出すれば問題ない。
4.株主名簿
エクセルなどて提出時の株主名簿を作成して提出すれば問題ない。
届出書の控えに受領印を貰うこと
法人設立届出書を記入したら、提出先単位で届出書(原本)をコピーして、その写しを控えとして使用しよう。
具体的には...
届出書を原本と写しの両方を税務署、都道府県税事務所、市町村税務課に提出する。
届出書の写し(控え)は必ず受領印をもらい持ち帰りましょう。
受領印済み届出書の写し(控え)は、届出した証拠書類になるので大切に保管しよう。
法人設立届出書の2つの提出方法
法人設立届出書と添付書類の提出方法は2つある。
具体的には...
提出先に持参する方法
提出先に郵送する方法
郵送する場合は…
受領印済みの届出書の写し(控え)を返信してもらうため必ず返信用封筒を同封しよう。
返信用封筒には住所と氏名を記入して必ず切手を貼るのを忘れずに!
提出期限は「税務署は設立から2ヶ月以内」「地方自治体はそれぞれが定める期限」になるので気をつけたい。
法人設立届出書の作成のまとめ
法人設立の届出は会社の概要を知らせるのが目的だ。
そのため添付書類の提出も必要となる。提出先により添付書類が変わることも気をつけたい。
法人設立届出書は国税庁と地方自治体のホームページから取得できる。
青色申告などの設立時に必要に応じて提出する税務書類は、法人設立届出書と一緒に提出すると手間が省けるだろう。提出の際には届出書の控えに受領印を必ずもらいたい。
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