個人事業主は、1年間の儲けや納める税金を計算して税務署に報告しなければなりません。
これを確定申告と言います。
確定申告には、白色申告と青色申告の2つの申告方法があります。
その中でも青色申告は「納める税金を安くしたい方」に向いている申告方法です。
今回、この記事でわかることは以下のとおりで、青色申告の基本を知りたい方に向けた記事になります。
この記事でわかること
- どうして青色申告するのか?
- 青色申告を利用できる人は?
- 青色申告は手間がかかるのか?
税務会計の経験が20年以上ある筆者が、本業である経営コンサルタントの視点で、青色申告にまつわる基礎知識を解説していきます。
個人事業主として「これから開業する方」や「開業したばかりの方」でもわかるように優しい解説を心がけています。
気になる方はぜひに最後まで読んでほしい。
きっと新しい発見があります。
青色申告とは何だろう?
確定申告には白色申告と青色申告がある
確定申告には2つの申告方法があります
確定申告は、白色申告と青色申告の2つの申告方法があります。
白色申告と青色申告の違いは、特別控除があるかどうかです。青色申告は特別控除があるので、白色申告よりも納める税金が安くなるようになっています。
青色申告は人気がない時代がありました
過去を振り返ると青色申告は、今よりも利用されていませんでした。
青色申告が利用されなかった理由は、複式簿記による帳簿作成という条件に手間を感じる方が多かったからです。
この条件は簿記の知識がないと帳簿づけが難しいので、簿記をイチから学ぶ時間が取れない個人事業主は、手を出すことができなかったのです。
白色申告は簿記を知らない者の受け皿に
簿記の知識がない個人事業主の受け皿として白色申告は利用されました。
白色申告は、家計簿レベルの帳簿づけが可能であるため、経理初心者でも簡単に作業できました。具体的には、収入や支出をひとつの帳簿にまとめて記録するだけの作業になります。
このように過去には、青色申告よりも納める税金が高くなるが、手間が掛からない白色申告を選んだ個人事業主も多くいたのです。
現在は青色申告の利用者が増えています
調査によると、個人事業主の約7割が青色申告を選んでいるとの報告があります。
青色申告が選ばれるようになった理由は、会計ソフトの進歩により簿記の知識がない方でも、帳簿や申告書の作成が簡単にできるようになったからです。
このように現在では、会計ソフトの進歩のおかげで青色申告の利用者が増えました。なお、会計ソフトについては、青色申告のデメリットは会計ソフトで解決で解説します。
青色申告は特別控除で税金を安くできる
青色申告は3種類の申告方法があります
青色申告は、10万円控除、55万円控除、65万円控除と3種類の申告方法があります。この中からひとつを選んで申告することにより、白色申告よりも納める税金を安くできます。
なお、青色申告で受けられる控除のことを青色申告特別控除と言います。
青色申告特別控除を利用して申告するためには、それぞれの条件を満たす必要があります。
10万円控除で青色申告するための条件
単式簿記による帳簿と青色申告決算書の作成が必要になります。
単式簿記による帳簿は、白色申告と同じくらい簡単に作成できますが、現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳といった複数の帳簿づけが手間になります。
また、青色申告決算書は損益計算書を作成。確定申告時に提出が求められます。
55万円控除で青色申告するための条件
複式簿記による帳簿と青色申告決算書の作成が必要になります。
複式簿記による帳簿は、簿記を知らない経理初心者には作成が難しいが、現在は会計ソフトの進歩によって、誰でも、簡単に、帳簿の作成ができるようになっています。
また、青色申告決算書は損益計算書と貸借対照表を作成。確定申告時に提出が求められます。
65万円控除で青色申告するための条件
基本条件は「55万円控除の条件」と同じになります。
65万円控除は基本条件にプラスして、電子申告または電子帳簿保存のどちらかを採用する必要があります。実際の運用では、電子申告を採用する方がほどんどです。
この条件があるのは、国税庁が電子申告または電子帳簿保存の普及を促進したいからです。
青色申告は他にも多くの節税特典がある
青色申告には、青色申告特別控除を含めて7つの節税特典があります。
青色申告の節税特典とは、国が認めた税金が安くなる究極の節税対策になります。個人事業の経営を有利にするためにも、必ず知っておきたい特典です。
なお、青色申告の節税特典について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
青色申告を利用できる人は?
青色申告を利用できる個人事業主とは?
青色申告を選択できる個人事業主
青色申告を利用するためには、開業届の提出が必要です。
開業届を提出した個人事業主は、白色申告と青色申告のどちらかを選べる権利がもらえます。そして、青色申告を選択した者だけが青色申告を利用できるのです。
なお、開業届について詳しく知りたい方は、「開業届とは?個人事業主なら知っておきたい!手続の必要性と基礎知識」を参考にしてください。
青色申告の開始報告した個人事業主
青色申告を利用するためには、青色申告承認申請書の提出が必要です。
青色申告承認申請書は、青色申告の開始報告をするための申請書です。税務署は、個人事業主からの報告を受けて青色申告の開始を認めるかどうか審査します。
なお、青色申告承認申請書について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
副業収入でも青色申告を利用できるか?
副業収入でも次の条件を満たしており、開業届と青色申告承認申請書を提出した個人事業主であれば青色申告を利用できます。
青色申告できる副業の条件
- 事業活動に従事する人がいること
- 事業活動に必要な設備があること
- 継続して65万円以上の収入があること
- 副業収入がないと生活に支障があること
- 世間的に職業として認められていること
上記条件を満たしていれば、副業収入でも青色申告することが認められます。
しかし、会社員などの安定収入がある方は「副業収入がないと生活に支障があること」の条件を満たせない場合がほとんどでしょう。
なお、上記条件を満たせない場合でも、副業収入がある以上は確定申告が必要になります。ただし、副業収入から必要経費を引いた所得が20万円以下になる方は必要ありません。
青色申告は手間がかかるのか?
青色申告65万円控除で申告するまでの流れ
これから解説する内容は「青色申告までの流れ」を掴むために書いています。内容が難しいと思った方は、「青色申告の手間は会計ソフトで解決できます」まで読み飛ばしてください。
日々の取引は複式簿記よって帳簿に記録する
青色申告の会計処理は、個人事業で発生した取引を複式簿記によって記録します。
具体的には、仕訳日記帳に取引を記録して、それぞれの総勘定元帳への転記を繰り返します。
簿記の知識がない方は、どのように帳簿をつけたら良いのか分からないので、まずは簿記の勉強から始めることになります。
決算時には残高試算表で誤りがないか調べる
個人事業主は決算日になったら、その時点の決算整理前残高試算表を作成します。
決算整理前残高試算表は、総勘定元帳の残高に誤りがないか調べるための計算書類です。
総勘定元帳の残高に誤りがないと確認できたら、決算整理仕訳を加味した後に決算整理後残高試算表を作成して、最終的には青色申告決算書に集約させていきます。
決算時には青色申告決算書で所得を確定する
決算整理後残高試算表の数字から青色申告決算書を作成します。
青色申告決算書は、個人事業における1年間の所得や財産を確定するための計算書類です。
具体的には、損益計算書、特定科目内訳、減価償却費の計算、貸借対照表などを作成して、最終的には確定申告書に反映させて所得税の計算をおこないます。
確定申告書で所得税を確定して電子申告する
青色申告決算書で算定した課税所得を起点にして確定申告書の作成を始めます。
その他の収入や控除などを加算・減算して、納めるべき所得税を確定させます。最終的には電子申告を使って確定申告書と青色申告決算書を提出します。
このように、日々の会計処理から確定申告書の提出までの一連の流れが、青色申告(65万円控除)するために必要な作業になります。
青色申告の手間は会計ソフトで解決できます
一連の流れを読んでわかったと思いますが、青色申告するためには大変な手間がかかります。
この大変な手間が、青色申告のデメリットと言われています。
しかし、青色申告のデメリットは、実は会計ソフトでアッという間に解決できます。詳しくは、次の「青色申告のデメリットは会計ソフトで解決」で解説します。
青色申告のデメリットは会計ソフトで解決
青色申告のデメリットは、会計ソフトの進歩によって解決できるようになりました。
特にクラウド型の会計ソフトでは、簿記の知識がない方や経理の経験がない方でも簡単に帳簿を作成できる機能が充実しています。
例えば、クラウド会計のシェアNo1であるfreeeでは、簿記の知識によらない会計システム、会計帳簿の自動入力、決算書や申告書の連携機能などが導入されています。
このように、誰でも簡単に使えるクラウド型会計ソフトの登場により、青色申告のデメリットも解決されて、手軽に確定申告できるようになったのです。
上記で紹介したfreeeについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
青色申告とは?確定申告の基礎知識のまとめ
青色申告は納める税金を安くするための申告方法です。
青色申告は特別控除や節税特典により納める税金を安くできます。なお、青色申告するためには「個人事業の開業届」と「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要です。
青色申告のデメリットが原因で利用者が伸び悩んでいた。
具体的には、複式簿記による帳簿作成、決算書と確定申告書の作成、電子申告(65万円控除のみ)がデメリットでしたが、現在では会計ソフトによってデメリットは解決されました。
クラウド会計の登場で誰でも確定申告が可能になりました。
特にfreee会計では、誰でも、簡単に、操作できる、会計システムが導入されています。日々の会計処理から電子申告まで、簿記や申告の知識がない方でも手軽にご利用いただけます。
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