起業について最低限の知識をまとめた。
今回、この記事でわかることは以下のとおりになる。
- 起業するまでの4つのステップ
- 創業計画の簡単なポイント
- 起業手段(個人と法人、株式会社と合同会社)の決め方
- 起業するための必要な手続き
- ビジネスを始めたら何に気をつけるか?
ひとつでも気になる項目があれば、ぜひに最後まで読んでほしい。
きっと新しい発見があります。
- 起業の流れを確認しよう!
- 創業計画を立てよう!
- 起業手段を決定しよう!
- 起業の手続きしよう!
- 実際にビジネスを始めよう!
- 起業準備のまとめ
起業の流れを確認しよう!
起業の流れ
創業計画を立てよう!
創業計画は、最低でも売上計画、事業収支計画、創業資金計画を立てよう。
3つの計画を実践することで起業前後の経営判断に役立つ。
売上計画の立案
売上計画で把握するのは「事業ドメインの設定」「自社の強みと弱み」の2つ。
最終的に売上予測を立てる目的がある。
1.事業ドメインの設定
事業ドメインの設定は「誰に」「何を」「どのように」を分析して、自社が売上を稼ぐ場所(自社が競争するフィールド)を決めること。
事業ドメインを設定するのは、売上を稼ぐために限られた経営資源を効率よく投資するためだ。
事業ドメインの目的
目的 | 内容 |
---|---|
誰に | ターゲットは誰か? |
何を | どのような商品やサービスが必要か? |
どのようにして | どのようにノウハウや技術などを活用するのか? |
2.自社の強みと弱みを把握
自社の強みと弱みの把握は売上を稼ぐ方法(販売方法)を探る目的がある。
自社性格の参考例
自社の性格 | 内容 | 対策 |
---|---|---|
強み | 人脈、組織体制、技術力、価格、品質など | 売上にどう強みを反映させるか? |
弱み | 知名度(ブランド力)、ノウハウ、スキルなど | どう弱みを克服して売上に反映させるか? |
例えば、自社の強みが「人脈」と「組織体制」であれば効率的な営業展開を計画できる。
また、自社の弱みが「スキル」であれば人材スカウトや外注先を探したり、「ノウハウ」であれば他社との業務提携(コラボ)などを計画できる。
3.売上予測の試算
事業ドメインと自社の強みと弱みを分析のうえ年商や月商の予測を立てる。
最終的に事業収支計画に集約する目的がある。
売上予測の目的
目的 | 内容 |
---|---|
年間売上(年商)の予測 | 設立年度の売上がどの程度になるか試算する。 |
単月売上(月商)の予測 | 設立から年度末までの単月毎の売上がどの程度になるか試算する。 |
事業収支計画の立案
事業収支計画では「売上予測」「創立費」「設備投資」「ランニングコスト」の4つを試算する。
起業後に経営が成り立つか予測する目的がある。
事業収支計画で試算する内容
目的 | 内容 |
---|---|
売上予測 | 売上計画で試算した売上高(月商と年商) |
創立費 | 法人設立費用(登録免許税、司法書士報酬など) |
設備投資 | 自動車、什器備品、店舗(事務所)の改装・保証金など |
ランニングコスト | 仕入高、販売管理費(人件費、外注費、家賃、保険料、水道光熱費、消耗品費など) |
創業資金計画の立案
事業収支計画で試算した支出を基本にして創業資金計画を立てる。
創業資金をどのくらい準備する必要があるかを把握する目的がある。
創業資金の主な使い道
使い道 | 内容 |
---|---|
創業資金 | 法人設立費用(登録免許税、司法書士報酬など) |
開業資金 | 店舗(事務所)の契約・改装費用、自動車、什器備品、初回仕入、広告宣伝費、消耗品費など |
運転資金 | 最低3ヶ月分のランニングコスト |
創業資金を把握したうえで、代表者が必要資金を貯めたり、出資者を探したりの計画を立てる。
なお、どうしても創業資金が足りない場合は、日本政策金融公庫の創業融資も計画に入れる必要がある。
起業手段を決定しよう!
個人と法人のどちらで起業するか?
個人と法人のどちらで起業するのかは、初年度年商が1,000万円を超えるかどうかで一般的には判断する。
初年度年商は創業計画の事業収支計画で試算した年商を判断材料にする。
判断方法
売上基準 | 判断結果 |
---|---|
年商1,000万円未満 | 個人事業主 |
年商1,000万円以上 | 法人(株式会社 or 合同会社) |
初年度年商が少ない会社は個人事業主から初めて、売上基準を超えたら法人化するのがポピュラーだ。
ただし、売上基準を問わず法人を設立すべき場合もある。
例えば、
- 法人でないと取引ができない業者がある
- 法人でないと求人が集まらない事業である
- 法人でないと銀行から希望の融資額が受けれない
このような場合は信用力が必要な業種なので迷わずに法人で起業しましょう。
株式会社と合同会社のどちらで設立するか?
1.株式会社と合同会社の比較
特に設立費用・決算公告・役員任期・株式公開・役員肩書に注目したい。
項目 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
設立費用 | 約21万円から(電子定款の場合) | 約7万円から(電子定款の場合) |
出資者数 | 1人以上 | 1人以上 |
責任範囲 | 有限責任(出資の範囲内) | 有限責任(出資の範囲内) |
決算公告 | 必要 | 不要 |
役員任期 | 最長10年 | なし |
株式公開 | できる | できない |
役員肩書 | 代表取締役・取締役 | 代表社員・業務執行社員 |
2.株式会社に向く会社
株式会社は、第三者の経営参加や上場を目指す会社や役員肩書にこだわる人に向く。
具体的なメリットは以下のとおり。
- 役員任期がある
- 株式公開できる
- 肩書が代表取締役となる
株式会社は「役員任期がある」ので、第三者が経営に参加する又は参加予定である場合に向いている。
友人や元同僚などが取締役(非株主)として経営参加する場合、次第に考え方が合わなくなりトラブル発展につながることもよくある。そのような時に役員任期があった方が安心して経営できるだろう。
株式会社は「株式公開できる」ので、上場を目指す会社は株式会社を選ぶほかない。
役員肩書は「代表取締役」がよいという人も多い。
3.合同会社に向く会社
合同会社は中小ビジネスに向く。
そのためにひとり役員や家族経営で起業する経営者が多い。
具体的なメリットは以下のとおり。
- 設立費用の安さ
- 決算公告が不要
- 役員任期がない
設立費用の安さも魅力のひとつだ。
中小ビジネスにおいて初期費用を抑えられるのは想像よりも遥かにメリットが大きい。
法律要素である「決算公告が不要」「役員任期がない」のも魅力だ。
特に中小ビジネス(ひとり役員や家族経営)の会社は役員変更がほとんどない。役員任期がないので重任(再任)登記をする必要もなく余計な手続きや費用を抑えられる。
中小ビジネスにおいて3つのメリットはホントにありがたい。
起業の手続きしよう!
個人事業主の場合
1.税務手続き
個人事業を開始するには、主に次の届出を税務署に提出する。
- 個人事業の開廃業等届出
- 所得税の青色申告承認申請書
なお、家族や従業人に給与を出す会社は上記の届出以外にも手続きが必要だ。
その際は上記の届出と一緒に所轄税務署に提出しよう。
2.社会保険・雇用保険の手続き
従業員を雇用して国の加入条件を満たす会社は手続きが必要だ。
代表者ひとりでビジネスする場合は特に手続きはいらない。
3.事業用の銀行口座を開設する
生活用口座と事業用口座を分けたい場合は、新規に銀行口座を開設しよう。
屋号がある会社は屋号で銀行口座を開設できる銀行も多い。
法人(株式会社や合同会社)の場合
1.設立登記手続き
設立登記申請書と添付書類をそろえて管轄の法務局で登記手続きする。
2.税務手続き
所轄税務署と地方自治体に設立関係の手続きする。
3.社会保険・雇用保険の手続き
社会保険の手続きが必要です。
従業員がいる場合は雇用保険の手続きも必要となる。
4.法人名義の銀行口座を開設する
銀行や信用金庫で口座開設の手続きする。
実際にビジネスを始めよう!
創業計画と問題点の把握
実際にビジネスを始めると創業計画どおりにならないことが多い。
そんなときは必ず問題点を探す。
問題点の分析と改善を繰り返すことで、あなたの経営ノウハウが確立していく。
どうしても経営がうまくいかない場合は、経営セミナーに参加したり、専門コンサルタントに相談しよう。
税理士との顧問契約は必要か?
個人事業主の場合は、税理士との顧問契約が不要な人も多い。
クラウド会計の発達により帳簿入力や確定申告が簡単になったからだ。
自分で経理を完結できれば、特に税理士との顧問契約はいらないだろう。
法人の場合は、税理士との顧問契約は必須である。
法人税の確定申告書や決算報告書の作成、税務調査対応、節税対策などは素人では難しいからだ。
また、社会保険や雇用保険の手続きしてくれる税理士事務所もあるので、そのような税理士を選べば社会保険労務士との契約は必要ない。
起業準備のまとめ
社長の大切な仕事のひとつ情報収集がある。
社長は「いろんな人間に会ったり」「様々な媒体を読んだり」常に情報収集にはげむ。社長がアンテナを張り続けるワケは、集めた情報をこれからの経営にどう生かすか考えるためだ。
今回この記事にたどり着くまでに、いろんなサイトやブログで起業の情報を集めただろう。
それはあなたが社長の第一歩を踏んだことにほかならない。
新しい発見はありましたか?
ほかにも役立つ情報があるので別の記事も読んでいってくださいね。
最後に情報はいろんな媒体から集めよう。
偏った情報は害になる恐れがある。
様々な情報を集めて正しく判断することが、これから社長となる「あなた」の仕事なのです。